世界で反響“zero waste town of Kamikatsu,Japan” 廃棄物を45種類に分類、「2020年迄にごみゼロ」取り組む徳島県上勝町

世界で反響“zero waste town of Kamikatsu,Japan” 廃棄物を45種類に分類、「2020年迄にごみゼロ」取り組む徳島県上勝町

世界中で注目を浴びる、徳島県上勝町

棚田が広がる、日本の美しい原風景。

海外ドキュメンタリー番組のような作りのこの映像ですが、何を隠そうこの動画、米国ニューヨークのメディア企業にしてCNNの子会社「グレート・ビッグ・ストーリー」による取材映像です。

タイトルは“Japan’s Town With No Waste”、「ゴミのない日本の町」。

舞台は“KAMIKATSU JAPAN”。徳島県にある人口1600人ほどの小さな町です。

“KAMIKATSU”は瞬く間にSNS等で拡散され、世界中から注目されるに至りました。

上勝町で、何が起きているのでしょうか。

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ごみ収集車が走らない町。分別は45種類に及ぶ

町民自ら「ごみステーション」へ持ち込み

早朝の住宅街をくまなく回るごみ収集車。上勝町にはそうした光景はありません。

 

その代わりにあるのが、町内に1か所設置された「ごみステーション」。

朝7時から14時まで開所しており、次々と町民が乗用車や軽トラックでごみを持ち込んできます。

ステーション内には並べられたコンテナ。分別する内容によって細かく分けられています。

コンテナに表示された絵を見ながらごみを入れていく町の人たち。

車も持たない・持ち込みが難しい世帯へは戸別収集も行われています。

また、生ごみは町の補助のもとで各家庭に置かれたコンポストや生ごみ処理機で処分しています。

それぞれのごみは専門のリサイクル業者へ

コンテナには「どこに行くのか」「何にリサイクルされるのか」「いくらになるのか」といったことが記されています。

これまで焼却・埋め立てされていたごみも、それぞれの品目を専門に扱う業者ごとに委託することで立派な資源になるということ。

2003年、「ゼロ・ウェイスト宣言」を採択

焼却・埋め立てをゼロに。その途方もない計画

2003年9月19日、上勝町は「2020年までに町内から出る焼却・埋め立てのごみをゼロにする」ことを目標に「ゼロ・ウェイスト宣言」を採択しました。

ウェイスト(waste。廃棄物、無駄)をゼロに。

途方も無い目標のように思えますが、取材時点(2017年)において実に80%に迫るリサイクル率を達成しています。

きっかけは、町にのしかかる重いごみ処理費用

宣言の裏には厳しい財政事情がありました。

かつてごみを野焼きしていた上勝町。黒煙や異臭への苦情もあり1998年には焼却炉を導入したものの、ダイオキシンの問題に直面し2000年には閉鎖しています。

ダイオキシン類対策特別措置法をクリアする別の焼却施設を購入する余裕は町にはない。ならば他県に処理を委託しよう、という話になるのですが、十把一絡げで搬出するとなると費用も莫大。山奥にある上勝町であれば尚更です。

ここで発想の転換を図ったのが笠松和市町長(当時)の凄いところでした。

ごみの処理自体を見直すことで、日本で例のない「ゼロ・ウェイスト」に思い至ったのです。

当初は町民に戸惑いも、「モノを大事にする思いが強くなった」

全国でも例を見ない当時34種類のごみ分別。当然、町民の思いも複雑でした。

「昔はまとめて焼いていたものをこれだけ分別することに、かなり戸惑った」

それでも、宣言にある「未来の子供たちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を」という思いを粘り強く諭してきました。

その甲斐あってか、動画では

「モノを大事にする思いが強くなった」「気持ちが豊かになった」

などと語られています。

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「私たちは上流に住んでいるから、下流に住む人々の水を濁してはいけない」

花本靖町長(現)の言葉です。

文字通り、勝浦川の上流に位置する上勝町。勝浦川は勝浦町・小松島市・徳島市を経て紀伊水道に注がれます。

上流に住む人間の責務が、今なお強く「ゼロ・ウェイスト」に反映されています。

 

米国の大手チャンネルがこの事例を紹介したこともあり、“KAMIKATSU JAPAN”の施策、そして上勝町の美しい風景は世界中で注目されることになりました。

小さな町の取り組みが今、国内外で大きな影響を与えています。

おまけ:「上勝パラダイス宣言」も採択!

https://kamipara.jp

↑さっき「下流に住む人々の水を濁してはいけない」と熱い思いを述べていた町長が!

「ゼロ・ウェイスト宣言」以外にも、様々な独自の取り組みを行っている上勝町。

町への移住も積極的に受け入れています。

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